村上ファンドが、日本脱出の真相を語る
村上ファンドを率いる村上世彰氏は、投資ファンドそのものをすべてシンガポールに移し、家族とともに2006年5月16日、日本を脱出しました。JINビジネスニュースのライター山田厚史氏は、村上世彰氏が出国する直前、六本木ヒルズにある彼の事務所で会い、なぜ日本を脱出したのか、聞いたそうです。以下はその要約です。
「日本では金儲けは悪いことのように言われる。企業家や投資家が住むところではないと思った」。
つまり、日本に愛想を尽かしたのだ。無能な経営者が企業を私物化し、投資家も文句は言わない、親しい会社同士が株を持ちあいして、外部からの批判を封じる。緊張感のない経営体質を株主として鋭く批判すると、あたかも銭の亡者のような非難を浴びる。日本は資本主義ではない、世界規模で起きている競争に勝てるわけはない。こんな日本で自分の子供を育てる気にはなれない、というのである…
■巨額の資金は当局に知られることは好まない
シンガポールはグリーン・アンド・クリーンという標語に沿って都市の緑化と役人の規律強化に国を上げて取り組み、一方で、金融資産の秘密保持を徹底し、他国から照会があっても情報提供に非協力的であることも有名だ。 人口100万人にも満たない都市国家に、金持ちと資金を集めるために税金は安く、財産の秘密は守る、という政策を続けている。... しかし、今の国会で証取法が改正され、新たに出来る金融商品取引法では、村上のファンドは当局の管理下に置かれる可能性が高い。... 当局が好意的に対応すれば心配は少ないが、ライブドアの堀江貴文が証券取引法違反で摘発され「社会の敵」のように扱われた事実は、村上に恐怖心を抱かすのに十分だったのではないか。
■摘発の噂だけで「臆病なカネ」は、逃げ出す
TBSに続き、阪神電鉄の買い占めで、注目を集める村上ファンドは狙い打ちの対象になる、という観測は市場にも流れている。... 村上ファンドの大きな顧客は、著名財界人であるオリックス会長の宮内義男がいる。 村上の主張する「物言う株主」という主張に理解を示し、相当規模の資金を村上に任せていた。... 村上が手がけた東京スタイル、ニッポン放送、TBSいずれも、高値売り抜けに成功し、村上ファンドは投資利回り20%という好成績である。
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